新年島巡り初めは安居島(あいじま)にしました。本当はもう少し早く行くつもりでしたが、愛媛で家の用事が入ったので用事の前後に休みを取ってプチ四国旅行ということでこの時期と相成りました。
安居島は知る人ぞ知るアクセス難易度が非常に高い離島でして、船は通常1日1往復、しかも安居島を拠点に船が運航しているのでアクセスするには安居島に泊まらないといけません(一応泊まれる場所はあるそうですが)。
ただし、夏季と毎週水曜日と毎月第一土曜日は2往復運航されるため、日帰りでアクセスすることができます。水曜日は四国側の北条港発11時、第一土曜日は北条港13時発、帰りはいずれも安居島漁港15時発です。第一土曜日に訪問しようとすると滞在時間は1時間半弱と、ちょっと消化不良を起こすかもしれません。
さて、安居島行きの船が出ている北条港に向かいます。11時発で比較的ゆっくりめな時間なので、朝に広島を出ても十分間に合います。
広島→福山(新幹線)、福山→今治(高速バス)、今治→伊予北条(予讃線)で北条へ向かいます。ちなみに、広島からだと広島→尾道(在来線)、尾道→因島大橋(路線バス)、因島大橋→今治(高速バス)、今治→伊予北条(予讃線特急)のほうが安いことに高速バスに乗っている途中で気づきました。乗換案内に出ないしそんなのパッとは思いつかない……(今治から鈍行だともっと安くなりますが、時間がカツカツなのでおすすめはしません)
伊予北条駅から西に歩いて10分もしないで北条港に到着します。鹿島行き乗り場とは違うのに注意しましょう。「北条港務所」「安居島行の看板」が目印です。
安居島行「あいほく2」に乗り込んで切符購入と同時に乗船名簿に氏名、住所、連絡先、目的を記入します。夜行フェリーでは書いたことありますが昼行の離島航路では初めてかもしれません。きっぷは安居島まで片道840円、安居島からはこの船で戻る(しかない)ので復路のきっぷも同時に購入します。往復割引等はないので1680円です。
私のほかには仕事と思しき方々が数名乗り込み北条港を後にします。なぜ水曜日だけ2往復とも思いましたが、安居島に仕事に行く方の都合に合わせたのかもしれないですね。安居島にはお店はないのでみなさんお弁当を持参していました。私もお昼におにぎりを持ち込んでいざ安居島へ。北条はそこそこ大きな町でスーパーもパン屋も何軒かあるので、よほど時間がカツカツでない限りは何かしら買えると思います。
一昨年12月にいった野忽那島、睦月島、中島を横目に北条港から35分ほどで安居島に到着。かつては潮待ちの島として栄え、人口600弱まで達したことはありますが船舶の近代化などにより人口は減少、2020年時点で人口は13人となっています。港から眺めた感じでは家の数が多そうに見えますが、ほとんどの家が空き家となっています。
島にはお店はありませんが、自動販売機が一台だけあります。外観はちょっと古っぽく見えますが、中はちゃんと補充されています。また、島の西側には海水浴場があるのでトイレとシャワーが設備されています……が現役なのでしょうか?ちょっと怖くて中は覗けませんでした。
島の散策に入ります。島には郵便ポストがひとつあります。おそらく以前安居島簡易郵便局があったところでしょう。正式な廃止は2022年9月1日ですが、2013年12月2日以降は一時閉鎖中でした。ここで旅行貯金できたら最高でしたが、仕方ないですね。取集時刻が17時ということは島の方が回収してるのでしょうか。それで朝8時の船で北条へ送るといったところでしょうか。そんな気がします。
先ほど、島内のほとんど家が空き家であると書きましたが、安居島の空き家の多くは写真のように自然のなすがままになっているところが多いです。そのため、部分的にでも崩落している住居もちらほらあります。また、旅館の跡みたいな建物もちらほら見られました。安居島は以前は道後や三津に並ぶ県内三大遊郭の一つであったそうですから、遊郭だった建物もその中にあるのかもしれません。とはいえ、ここまで荒れたままになっているのはあまり見ません、情島でもここまではなかったです。でも、人がいないかというとそういうことはなく、道を歩いているとテレビの音が聞こえたり、畑作業をするおばさまなどもいたりします。
集落の中央部には集会所があります。今もやっているかはわかりませんが、島内では唯一この集会所で宿泊が可能です。素泊まりですが、自炊場はあるみたいです。また、集会所の近くには天満神社があります。
天満神社の階段を上がるとジャングルジムなど遊具の跡があります。ここは1983年に閉校した安居島小学校の跡だそうです。40年前!以降は北条の学校に通っていたということです。小学生ということを考えると北条でも遠いような気がしますが……
天満神社の近くの道から島の裏側(北側)へ抜けられそうだったので行ってみます。ちょっと急ですが道はあるので先に進むと……
結構な道になってきました。一応道はありますが左側は急斜面です。もちろん柵なんてものはありません。足を踏み外すと大変なことになる未来が見えるので、おとなしく引き返します。ちなみに、冬はいるかわかりませんがスズメバチもいるそうですので山道を進むときには十分な注意が必要です。
先ほどの山道からまた集落に戻り、東へ進みます。 集落の東端からちょっとそれたところに安居島灯台へ続く道がありますので行ってみます。
灯台に着きました。直線距離はそれほどでもないですが、勾配がかなり急です。一応道は最低限整備されているので、特に道に迷うことはないかとは思いますが、思ったよりかは大変でした。現役の灯台らしく、ご立派です。ここは灯台カードはないらしいです、ある灯台とない灯台で何が違うのだろう……
灯台から戻ってくるとお昼過ぎでちょうどご飯に良い時間に。砂浜で海や小安居島を眺めながらおにぎりを食べていたらぽつぽつと雨が……幸い、すぐ止んでくれましたが、よくよく考えたら島内に雨宿りできる場所がないのでは?と気付きます。すぐ止んでくれてよかった……
おにぎりを食べて時計を見ると、船が出るまで1時間ちょっとあったので西側の海水浴場に行ってみます。新しい足跡が残ってたのでこの日のうちに誰か来ていたのでしょうか。忽那諸島の中島などを眺めながらのんびりと時が流れていきます。
安居島は天然ひじきでも有名で、砂浜にもひじきが漂着していることがあるみたいです。ぜひとも見てみたい!と思いましたが、ひじきのシーズンにはちょっと早すぎました。
海水浴場でぼーっとしてたら思ったより時間が経ってしまいました。船に乗り遅れると大変なので、港に戻ります。往路で仕事で安居島に来ていたと思われる方々も復路に乗り込んでいたので、やっぱり水曜日のみ一日2往復体制は仕事で安居島に来る人のためのような気がします。
安居島に渡った時は3時間半を持て余さないか不安でしたが、安居島を見て回るにはちょうど良かったかなという感じです。とても楽しい島でした、ひじきのシーズンにまた訪問したいところです。
北条に戻った後は予讃線で松山へ。家の用事含めて3泊しましたが、その途中でいろいろ楽しそうなものや気になるものを見つけたので、また今度記事にしようと思います。