かころぐ

旅行記録と日記と漫画の感想。ネタバレもあります。

諏訪之瀬島(鹿児島県鹿児島郡十島村)2024.8

 

はじめに

 前回の「フェリーとしま2乗船記」にも書きましたが、諏訪之瀬島に行ってきました。今回は、その諏訪之瀬島の記事です。

 

kakoyuu.hatenablog.com

 

 諏訪之瀬島トカラ列島の島の一つで、活火山の御岳を抱えていることで有名です。現在も火山活動は活発で、火口から半径1km以内への立ち入りは禁止されています。

 船は週で2往復のみ、乗ってきた鹿児島行きの船がそのまま名瀬行きとして折り返して、帰りはその船に乗ることになります。行きの船は日曜着、帰りの船は火曜発ですので2泊3日を諏訪之瀬島で過ごします。どのような旅になるのか、楽しみです。

 

 例によってトカラ列島の島々は宿がとりにくく、基本的に工事関係の方々でいっぱいになることが多いです。諏訪之瀬島は一発で取れましたが、復路に宝島や小宝島に寄って鹿児島へ行こうかと思い宿に電話をかけたものの全敗でした。平島も聞けばよかったかなあ……諏訪之瀬島の宿を取れたのも幸運だったかもしれません。行程も名瀬に戻って代わりに請・与路に行くように変更しました。こちらも行きたい島々なので、次善策としてはオッケーな感じです。

さて、諏訪之瀬島滞在記、スタートです!

 

1日目

 さて、諏訪之瀬島に到着すると、宿の方が迎えにきてくれました。切石港から宿まで車で5分ほどですが、歩きだと登り坂を30分くらい歩く必要があります。さすがにそれはしんどいので、ありがたい限りです。

 10時頃に宿に到着しました。今回2泊お世話になったのは、民宿ヤマキさんです。工事の方々も一緒に泊まっていて(結構長期間滞在しているようです)食事を通じて仲良くなりました。焼酎やビールのお裾分けありがとうございました。とても美味しかったです!

 

 さてお昼まで時間があるので外に出ても良いのですが、夜勤明けで奄美に来てその後船中泊なのでさすがに寝不足です。お昼までぐっすり昼寝をしていました。

 

 お昼はそうめんとカツオの味噌漬けです。カツオは釣ってきたものらしい。すごい。美味しい……

 

 

 さてお昼の後は散策タイムです。諏訪之瀬島は結構広いのですが、火山がある影響で行ける範囲はごく限られています。行ける範囲を3つにエリア分けしました。

 

 ①切石エリア(切石港)

 ②元浦エリア(元浦港・諏訪之瀬島飛行場)

 ③ナベダオエリア(ナベダオの一本桜)

(④中心部 ←宿からすぐそこなのでいつでも行ける)

 

 とりあえず今日は③ナベダオに行って、次の日に①切石と②元浦に行けば良いかなという感じで雑にプランを立てました。

 

 外に出ると宿の女将さんから

「どちらへ?」

「一本桜まで」

「歩いて!?気をつけてね」

 というやりとり。工事のおじさま達にも「登り坂が急だよ〜」と言われていたのでどんな道か気になっていました。

 名瀬で2日ぶんの飲み物として2Lのお茶を2本買ったので、1本リュックに入れて、さあ出発です。宿の前に自販機があるのも嬉しいポイントですね。

中心部・ナベダオエリア

 まずは島の中心部と通ります。簡易郵便局・役場出張所・僻地診療所があります。あとは多分集合住宅もこのエリアですかね。とはいえ、日曜でやっていないのでこれは次の日に回します。

 建設中のガソリンスタンドを経由し、諏訪之瀬ゲストハウスへ出てくると京大火山研のGPS観測機や牧場、国土地理院の電子基準点が見えてきました。

この時点ではまだカバーがされていたガソリンスタンド

電子基準点「十島

 この中でも電子基準点の存在感が大きいですね!電子基準点「十島」だそうです。有刺鉄線があってさすがに近づけませんが。個人的に飛行場と一二を争う諏訪之瀬島のランドマークですね……さすがに飛行場の方が上か。

 

活発な活火山であることを感じる

 榊戸原牧場もありますがあまり牛さんとかは見られませんでした。暑すぎるからかな。少し進んで元浦方面との分岐を右に進むと、ナベダオへの道です。途中砂防ダムもあります。

 「なんとかなるやろ〜w」と思ってたのですが……登り坂、キツない?ちょっと洒落にならないレベルの急坂です。足取りが重くなります。

 途中、登山道の入口がありましたが、噴火警戒レベルが上がっているため通行止めになっていました。これも、諏訪之瀬島らしい光景ですね。個人的にはここまで来るのに既に登山だと思います。

 

 

マジできつい

 途中火山灰が積もっている場所もありました。ここ以外にも、人通りが少ない場所は火山灰が積もったままになっていました。バイクで走るのは絶対に嫌ですが、歩くぶんには問題はありません。でもふかふかしていてちょっと歩きにくいです。

 

 そんなこんなで宿を出てから1時間、よ、ようやく着いた……ナベダオ桜……

 

ヤギ除けもある

 もちろんこの時期に桜が咲いているはずもないので一本の巨木があるだけですが、達成感があります。で、でもまた来た道を戻るのか……

 桜にはヤギ除けの囲いがしてありました。確かに道中にもここ以外にもヤギをちらほら見かけました。暑いのに元気ですね。工事のおじさま曰く、暑い時間帯はヤギも出てこないそうですが、いま14時くらいで暑さ真っ盛りなのにヤギは平気なんですかね……すごい。

 

「やあ」

飛行場が奥に見える

 さて、来た道を戻ります。帰りは急坂とはいえ下り坂なので気分は楽です。40分ほどして宿に戻ってきました。元浦エリアまで行くつもりでしたが、さすがに疲れたので休憩です。

 暑すぎて下着まで全身汗ぐっしょりとなってしまいました。これ着替えないとさすがに不快度が……もともと名瀬で選択するつもりでしたが、1日2着使ってもとりあえず名瀬まで服は足りそうです。なので、ここは着替えることにしました。多分次の日も午前と午後で着替えることになるな……

 

 1時間ほど休憩して、次は元浦地区を目指します。

 時間は16時、夕食の時間はわかりませんがさすがに17時ということはないでしょう。距離を目算しても4kmはなさそうなので、1時間あれば行けそうです。というわけで、出発!

元浦エリア

 宿を出て元浦港方面に向かいます。途中、御岳がよく見えるところがあったのでパシャリ。そこから元浦港に向かうと、コインランドリーが。正直めちゃくちゃびっくり。なんで???誰が使うの????洗濯機と乾燥機1台ずつだけですけど、本当に誰が使うんでしょう。

 

 

 そして進むと諏訪之瀬島小中学校があります。ちょっと中心部からは外れているんですね、小学校低学年だと通うの大変そう。

 元浦港に近づくと、海が!!夕日が沈むタイミングで行くと、また綺麗だそうです。

 

 そして港に近づくにつれてどんどん下っていきます。今下っているということは、帰りは登らないといけないわけで……

 基本的に諏訪之瀬島で平坦なところはほぼないですね。少し走ろうと思っていたのですが、結局宿と出張所の往復1kmくらいが限度でした。あと暑いし。

 

元浦港

 

 元浦港です。フェリーとしま2は基本的に切石港の発着ですが、風向きに寄っては元浦港発着になることもあります。ホームページや村の放送でも「諏訪之瀬島は往復、切石港を利用します」とあります。

 港の周りにはなにもないのですが、正直それは切石港も同じです。悪石島のときも思いましたが、港の近くに集落があるわけじゃないんですね。海の近くに集落があっても時化ると波をかぶるからというのはありそうです。どうしても時化やすい場所ですし。

 

元浦港の壕(2日めに撮影)

 さらにどんどん進んでいくと、噴火時の退避壕がありました。桜島以外で初めて見ましたね……切石に1か所、元浦に2か所の計3か所ありましたが、正直壕があるような場所は人がいるような場所ではありません。人通りはなくはないけど、家はありません。逆に、中心部というか出張所周辺にはありません。出張所周辺は噴火による被害の影響がない、ということなのでしょうか。確かに、火山災害も問題ない避難所だという掲示がありました。逆に言えば壕が置いてある元浦、切石は影響があるということ……?

 

滑走路の下をくぐる

 そして更に進むと飛行場との分岐です。トカラ列島十島村)の島々へのアクセスは基本的に週2便のフェリーとしま2のみですが、諏訪之瀬島には飛行場があるので週2便のセスナ機を利用することができます。島民以外は片道60000円也です。気になるけど、さすがに無理……いやでもセスナ機に乗る経験なんて、でも60000円は……おがさわら丸往復より高いやん……うーん……薩摩硫黄島にも飛んでるので、硫黄島に行くときは……検討できるように、お金を貯めます。

 

 空港の建物が小洒落ていて可愛らしいです。こういう色使い好きです。空の青といい感じにマッチしてるな〜〜諏訪之瀬島で一番好きな場所、ここかもしれない……

 隣に発電所もあります。

 

 

 そして宿に戻ってきました。大体1時間くらいですね。予想通りです。諏訪之瀬島でまず回るならこのコースがおすすめです。

 早速お風呂に入って晩ご飯です。カツオのたたきです!素敵!美味しい!

 

 同宿の工事のおじさまたちにも気にかけてもらって焼酎いただいてしまいました……ありがとうございます!!「あらわざ桜島」「鹿児島美人」を注いでもらったのですが、とっても飲みやすかったです。

 芋焼酎って結構匂いがキツいイメージだったんですが、するする飲めました。美味しい!その分飲みすぎちゃって(3杯ですが)頭がふらふら〜ってなりました。なんか着々とお酒に弱くなっていってますね……

 その後は特に何もせず寝ました。次の日は完全にフリーです。なんなら、ずっと寝ていても誰も咎めません。見どころもたくさんあるわけではないので、小笠原みたいに急いで見て回る必要もありません。ああ、なんて素敵な休日の過ごし方なんだ……これは、やめられない。

 

2日目

元浦エリア・中心部

 6時半に朝ご飯を食べてスタート……ですが、簡易郵便局も乗船券を発売する出張所も営業開始は9時です。日が高くないうちに出張所まで往復1kmほど走って、二度寝をします。

 

 目が覚めたら8時40分でした。うーん、このまま中心部に行っても時間を持て余しそうです。なので再び元浦港方面へ、そして今度は藤井富伝の墓の方を通って中心部を目指すことにしました。これならだいたい2時間くらいで着くでしょう。

 

 元浦港までは見知った道です。でも、逆方向から行くと平島がよく見えたり壕にも名前があることに気付きます。

奥に見える島が平島

 

 さて、昨日の道を左に曲がり、しばらく歩くと藤井富伝の墓への入口があります。奄美大島の赤木名生まれで、噴火後無人になった諏訪之瀬島の開墾のために多大な貢献をした人物です。道から少し奥まったところに、お墓はあります。

藤井富伝の墓

 さてこの道ですが、左右を鬱蒼とした木々に覆われていて、あまり見通しがよくありません。まあこういうのも行かなきゃわからないですからね。

 八幡神社があったのでお参りをしていきます。近くに牧場もあります。

 

 さて、中心部に戻ってきました。ガソリンスタンドも、昨日はカバーがかかっていたのに今日は外されていました。ピカピカです。

 これは島を出るときに知ったのですが、この翌週に売店を併設してオープンするそうです。お店ができるのか……!ちょっと胸が熱くなります。

 

 さて、10時半頃と簡易郵便局も出張所もオープンしている時間になったので、まずは諏訪之瀬島簡易郵便局に向かいます。忘れずに旅行貯金と、離島だしせっかくなので和文印を押印してもらいます。

 

 

 そして出張所で乗船券を購入すると、観光目的ということで離島カードをいただきました。あ、あったなそういえば……!多分、一昨年の五島旅行以来だと思います。広島から国境離島って遠いんですよね……(そういえば、小笠原……)

 そこで同じく離島巡りされている方と少しお話していました。聞けば、トカラを集中的に訪問して5/7を訪問予定とのこと。すごい!翌日の船で平島に行かれるとのこと。やっぱり平島の宿も聞いとくべきだったかな〜〜との思いも出てきます。

 

 お別れして宿に戻り、小休憩です。例に漏れず全身ぐっしょりなので着替えます。少しお昼寝して、お昼になります。トマトカレーが美味しい!

 

切石エリア

 またお昼寝して、最後にまだ行けていない切石港方面に向かいます。とにかく下ります。下るってことは、やっぱり帰りはまた登らないといけないのか……という複雑な気持ちです。まあ平坦なら平坦で海の影響をかなり受けそうですが……

 途中、ナハ浜の分岐があります。星砂が有名な浜ですが、行っている途中に道を間違えたようで来た道を少し戻ってしまいました。なぜだ。ナハ浜は諦めました。

 

火山灰が積もっている ふかふかしていて歩きにくい

切石の壕

 そしてもう少し進むと、目的地の切石港です。海が、綺麗!!!!元浦港と比べるとこっちの海のほうが好きかも。待合所もあるので、少しぼーっとしながら過ごしていました。

 

切石港

 

 その先で乙女の洞窟なる洞窟もあるみたいなのですが、また見当たらなかったので諦めです。その代わり、ちょっと先から見える切石港を撮影しました。

 

 

 帰って16時半くらい、もう全身汗だくなので(いつも通り)即お風呂に入ります。

 そして荷造りしたら晩ご飯です。サワラの刺身!!!

 



 長かった諏訪之瀬島生活も明日が最終日です。朝7時20分の船なのですが、果たして明日朝ご飯はあるのでしょうか……?あるよね……?

 とりあえず朝早いことは確実なので、いつでもチェックアウトできるようにしておきます。

 

3日目

 あまり寝られた実感がない……多分起こしてくれるとは思いますが、寝坊を絶対にできない!というプレッシャーの下ほとんど寝られませんでした……

 朝ご飯、ありました。良かった。6時半と前日通りでしたが、結構ギリギリでは……?でも港まで車で5分なら大丈夫か。

 

 

 そして2泊3日過ごした民宿ヤマキさんを後にします。ありがとう、ありがとう……

 

名瀬行き「フェリーとしま2」の到着

 

 帰りのフェリーとしま2に乗って諏訪之瀬島を後にします。楽しかったです!ありがとう!

 帰りの船内では寝不足が祟って爆睡してました。寄港のタイミングの汽笛で何度か起きたけどほとんど寝てましたね……

 

 次は奄美大島に到着してからの、請島編です。