かころぐ

旅行記録と日記と漫画の感想。ネタバレもあります。

小大下島(愛媛県今治市)2022.12

 2022年最後のお出かけ先は前々から気になっていたものの朝の早さからなかなか行けなかった小大下島(こおげじま)と大下島(おおげじま)にしました。今回は小大下島編です。

 岡村港06:50発のフェリー「第二せきぜん」に乗れると後の行程がうまくつながるのですが、その岡村港06:50に乗ろうとすると、岡村港が広島市内から約90km離れていることから考えると我が家を3時過ぎに出ないといけません。やったことないことはないですが、普通にキツいです。冬だし。でもそんなこと言ってたら一生行けませんので気を奮い立たせてカブくんに乗りました。寒いですが、安芸灘大橋を50円で渡れるのは原二のメリットですね。

 

岡村港 きっぷは建物内の自動券売機で購入

 安芸灘大橋を渡ってひたすら真っ暗なとびしま海道を走って06:40くらいに岡村港に到着。以前仁方駅から岡村港まで38km歩くという修行みたいなことをしましたが、そのときは9時間くらいかかりました。カブくんだと1時間超です。文明の利器万歳。

 カブくんはフェリーに積載することもできますが、小大下島からの帰りの旅客船には積載できないので岡村港でお留守番してもらいます。船利用者の駐車場もちゃんとあります。

 おじさま「バイク載せてく?」

 かこ「ここに置いていきます!」

 お「じゃあそこに駐めていいよ!今治?」

 か「小大下です!」

 お「小さいほう?そこできっぷ買ってね」

小大下(こおげ)と大下(おおげ)、確かに聞き間違いがありそうです。小さいほうの小大下、大きいほうの大下で区別するのはとても合理的に見えます。早速きっぷを買いました。普通の食券みたいなきっぷですが、小大下島までは150円とジュース一本分の値段です。値段は下調べしてませんでしたが思ったより安い。

 蛇足ですが、このせきぜん渡船岡村-今治は広島からバイクで四国を渡ろうとするとかなり効率的なルートになると思います。安芸灘大橋50円、岡村今治が原二で1250円の1300円です。

「第二せきぜん」 岡村港にて

 これから乗るフェリー「第二せきぜん」は岡村港で夜を明かすのですぐそこでお休みしていました。船名が創英角ポップ体だ!!!これは初めて見ました。かわいらしい。それにしてもなかなか立派なお船です。今治までは80分かかりますが、快適に船内を過ごせそうな予感がします。私は岡村港から12分の小大下島で下船しますが。

「第二せきぜん」船内 自動販売機の奥にお手洗いもある

「第二せきぜん」船内 ベンチのほかに雑魚寝スペースもある

船内から見た朝日

 思った以上に船内が豪華でした。そして朝日も眺めることができました。寒い中カブくん運転してよかった……心が洗われます。

 7:02、小大下島に到着。名残惜しいですが「第二せきぜん」から下船します。

「第二せきぜん」小大下漁港にて

 下船客は私一人でした。

 小大下島の簡単な紹介を今更します。『シマダス』によると、面積0.90㎢、人口は23人、周囲は3.7kmとあります。小大下島のアクセスは私みたいに岡村港、または今治港からフェリーまたは旅客船となります。フェリーは1往復ずつ通過便がありますが、フェリー3往復、旅客船4往復の1日計7往復あるのでかなりアクセスはしやすい部類だと思います。以前は無人島でしたが、明治初期以降は本格的に石灰石採掘がはじまり住友鉱山などの大手企業の鉱業所が複数立地し、昭和30年の国勢調査では人口665人を数えました。いまは鉱業所も閉鎖されていますが、石灰石の採掘跡や工場跡などが残っています。何を隠そう、それが目当てでやってきました。

 

小大下漁港を臨む

漁港前にある小大下島集会所

小大下島僻地出張診療所

年末年始における関前の配達案内 小大下は港止め

ごみ捨て場に光る「呉市」の文字(小大下島は今治市

 まず港の近くを散歩していましたが、「呉市」の文字が見えてびっくり。小大下島は愛媛県今治市です。呉市とは市どころか県すら跨ぎます。とはいえ、小大下島はさきほどの岡村島を中心とした旧関前村の一部でしたが、旧関前村は今治市とは海を隔てていますが、呉市とは現在は架橋されて陸続きです。旧関前村のごみ処理を呉市が行っていてもまああり得るかな…?と思えるところもあります。(合併前は豊浜大橋が未開通だったので岡村島呉市街は陸続きではないですが、そのときは今治市が処理していたのでしょうか?それとも、昔から呉市が処理?どちらもあり得そうな感じがします。)

 さて、本題である石灰石採掘跡を見に島の反対側へ向かいます。港から島の反対側までは歩いて10分くらい、その途中に石灰石採掘跡があります。

石灰石採掘跡

 すっっごいきれいですね……採掘跡に湧いている水と石灰石の風景が素晴らしいです、早起きしてよかった……もう少し晴れてくれたら文句はなかったですがこればかりは仕方ないです。こういうのいいですよね。ここで湧いている水は、海底送水管で岡村島に送られているそうです。澄んでてとても美味しそう。

島の反対側にある石粉工場跡の赤レンガ煙突

 島の反対側にやってきました。対岸は大下島です。その奥には大崎上島、大島など瀬戸内海の島々を臨むことができます。もちろんしまなみ海道来島海峡大橋も眺めることができます。船の交通量も多く、ぼ~っとその様子を眺めているのも贅沢な感じがします。この突き当り右側みは、地図では池みたいなものがあります。地図見た感じはここも採掘場跡だと思っていたのですが、どうやらエビ養殖場跡らしいです。

小大下島東側 エビ養殖場跡?

 こういうのもいいですね。こういう景色はとても好きです、来た甲斐があったな~ってなります。ここでもぼーっとしてたいですが、あまり時間もないので港に戻ります。

 思ったのですが、想像以上に小大下島では住民の方と遭遇した気がします。メインの集落は港の近くですが、港のあたりをぶらぶらしていたら岡村行きの旅客船に乗る方とか散歩しているご夫婦とか。賑やかで散策していて楽しかったです。

 小大下島散策にあたり注意事項ですが、島内はお店も自販機もありません。食べるものも飲むものも事前に購入する必要があります。今治からなら心配ないと思いますが、岡村から乗る場合は(特に朝の便)岡村には自販機くらいしかありません。とびしま海道の道中にも早朝やっているお店はありませんので、広や仁方であらかじめ何かしら買っておくことをおすすめします。

 素敵な島だろうなと思っていましたが、想像以上に素敵な島で楽しかったです。小大下漁港からは旅客船「とびしま」で次なる目的地の大下島へ向かいました。このお話はまた後日。

旅客船「とびしま」 小大下漁港にて