かころぐ

旅行記録と日記と漫画の感想。ネタバレもあります。

日記_2023.10.17 『極夜行前』を読み終わった

 今日は早めに切り上げたんですが、それでも家帰ったら20時ってしんどいですね。もっと家で自由な時間が欲しいです。

 

 

 仕事して帰ってきただけなので特に言うことはないのですが、角幡先生の『極夜行前』を読み終わりました。とてもよかったです。以下、読書感想文です(苦手)

 『極夜行』を読んでいても思ったのですが、読んだ当初は角幡先生のウヤミリックの扱いに眉を顰めていました。パートナーでもあるウヤミリックに強く当たりすぎなんじゃないかって。でも読んでいて、極圏というのは死と隣り合わせであること、犬が死ねば人も死ぬし、人が死ねば犬も死ぬという一蓮托生の運命であることがひしひしと伝わってきました。もちろんそれでもやっぱりヒステリックになりすぎでは、と思うところは今でもあるのですが、そうでもなければ常闇の極圏を生き抜けないんだ、と極圏という環境の凄絶さを感じました。

 それにしても角幡先生の探検観にはとても共感というか強く頷きました。私は探検したことない外野の感想なんですが。
 GPSも衛星電話も邪道と考えるのはびっくりしましたが、昔はありませんでしたからね(本番で衛星電話は持っていきますが、GPSは持って行かなかったのはやっぱりすごい)。天測で自分の位置を取り方位磁針で進路をとる。これぞ探検!という感じがしました。もちろんそのために苦境に陥ったり、想定外の出来事も起こったり……

 デポ設置のためにカヤックで物資を運んで行った時に海象に襲われたこと、その設置したデポが白熊にやられてしまい食糧が尽き欠ける中ウヤミリックに手をかけるかどうか最後の最後まで迷うこと、そのときに文字書き魂が嫌でも働いてしまい手をかけたときの文章が思い浮かんでくるところ……生死と隣り合わせ、一歩間違えたら死んでもおかしくない極限の環境がありありと浮かんできて、この先どうなるんだろうとゾクゾクしながら読み進めていました。おかげで寝不足になったりもしました。

 高校生のときに沢木先生の『深夜特急』に出会い、大学生のときに高野先生の著作に出会い、社会人になって角幡先生の著作に出会い、先生方の本を読んでゾクゾクする体験が病みつきになってしまいました。少し本から離れていたのですが、再びこの体験をしてしまうとまたこのゾクゾクを……という感情に支配されてしまいますね。中毒みたいなものです。

 今日は昼休みに大島育雄さんの『エスキモーになった日本人』を図書館から借りてきました。Amazonでプレミア価格になってて手が出ないところに図書館に置いてあることに気付いたので……角幡先生のお話の中で大島さんのお話があったので気になったのです。読み終わったら、また感想を書こうと思います。